4130人が本棚に入れています
本棚に追加
もう一度深呼吸をして、涼くんを見た。
そして、
「私は・・・、
妻帯者と付き合っていたのよ。
人のものに手を出すような最低の女なの。
本当はバカな奴だって笑っているんでしょう。」
「・・・・・・。」
涼くんの表情が変わった。
私はさらに続けた。
「私だって生身の女なのよ。
心と身体は別のもの。
欲するときだってあるの。」
本当はこんな事を言うつもりなんてないのに、気持ちと反比例して酷い言葉が止まらない。最低だ。
「私はあなたが思ってるような女じゃないの。」
でも、これがきっかけで呆れて諦めてくれるかもしれない・・・。
それまで黙っていた彼が口を開いた。
「月菜さん、そんなに自分自身を傷つけないで。
わざとそんな事を言わなくていいから。」
悲しそうな表情をして涼くんは言った。
最初のコメントを投稿しよう!