第十八章

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もう一度深呼吸をして、涼くんを見た。 そして、 「私は・・・、 妻帯者と付き合っていたのよ。 人のものに手を出すような最低の女なの。 本当はバカな奴だって笑っているんでしょう。」 「・・・・・・。」 涼くんの表情が変わった。 私はさらに続けた。 「私だって生身の女なのよ。 心と身体は別のもの。 欲するときだってあるの。」 本当はこんな事を言うつもりなんてないのに、気持ちと反比例して酷い言葉が止まらない。最低だ。 「私はあなたが思ってるような女じゃないの。」 でも、これがきっかけで呆れて諦めてくれるかもしれない・・・。 それまで黙っていた彼が口を開いた。 「月菜さん、そんなに自分自身を傷つけないで。 わざとそんな事を言わなくていいから。」 悲しそうな表情をして涼くんは言った。
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