第十八章

17/19
前へ
/525ページ
次へ
涼くんに抱きしめられていた私は、何となく背中に気配を感じた。 間もなくして、 「チューしてる~。」 「え~っ、チューしてんのか。」 その声は確かに私達に向けられたもの。 「してないよぉ。」 ひょこっと顔を出して、涼くんが声の主たちに向かって笑いながら言った。 「なぁんだ、ちがーのかよ。」 「行こうぜ。」 パタパタと足音がして、静けさと同時に気配もなくなった。 「幼稚園児くらいかな、それとも小学生かな。」 今のギャラリーの事を言ってるんだ・・・。 涼くん、余裕がある・・・。 私なんて全然余裕無いのに。 「やわらかい・・・。」 その涼くんの一言で、顔が真っ赤になっていくのがわかった。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加