第十九章

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数分間の硬直からようやく解放された。 「大丈夫ですか?」 「うん、大丈夫。」 胸を張って言い切る表情を見る限り、さっきまで強張っていた様子はみじんも感じない。 「急に出て来たら、誰だって驚くでしょう?」 多分、強がりだ。 やっぱり怖かったんだ。 でも、そんな強がりも可愛らしく思えた。 「何か、暖かいものでも飲みますか?」 「そうね。」 俺達は飲み物を手に、敷地内の建物に入った。 階段を上っていくと、そこは園内が見渡せるようになっていて、俺にとっては格好の場所だった。
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