第二十章

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ホームへと向かうエスカレーターの上で、今一度涼くんの姿を思い出していた。 可笑しくなった気持ちと裏腹に、複雑な思いが沸いてくる。 さっきは納得したはずなのに・・・少しずつなんて思っていながら、自分自身を曝け出すことが出来る日が本当に来るのだろうか。 逢って、理解して...と本当にうまくいくのかな。 ひとりになると決心が揺らぐ。 彼はこんな私と違って、全力で真っ直ぐにぶつかってくる。 もちろん受け止める思いはあるけど、やっぱり本気になるのが怖い。 ウジウジしている訳でもなくて、彼を弄んでいる訳でもなくて・・・。 ひとりになるのが怖い。 大丈夫とわかっていてもすぐには拭えない。 今の私の本心だった。
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