第二十章

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「森下さん、ちょっと待って。」 歩きだした私を誰かが呼んだ。 声のする方を見ると、富沢さんが小走りでこっちに向かってきている。 「飲みに行くんじゃなかったの?」 「そうなんだけどね、支店に戻らないといけなくなっちゃって。 遅れて合流ってわけ。」 「大変だね。」 「森下さんは直帰?」 「うん。」 「いいなぁ、これから誰かと?」 「うん。」 「彼氏できたんだ~。」 「彼氏っていうか・・・」 「表情が違うもの。 きっと、今の彼氏に大事にされてるんでしょうね。」 同期は皆、晃太との事を知っている。
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