第二十一章

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待ち合わせ場所に立つ彼女を見つけ、俺は気合いを入れた。 「お疲れさまです。 すみません、遅くなって。」 「お疲れさまです。 私も今来たばかりだから。」 変わらない笑顔に、内心ホッとした。 「忙しいのに大丈夫だったの?」 「週末の為に、毎日頑張ってますから。」 あなたに逢えるのを糧に頑張ったなんて言ったら、どんな反応をするだろう。 「美味しい。」 俺の考えなんて気付きもしない彼女が、本当に美味そうな顔でスープを啜ってつぶやいた。 .
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