第二十一章

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その指先に、ふと目が止まった。 初めて見た。 派手ではなく、馴染んでいるような色。 聞いていいものか迷ったが、 「マニキュア、月菜さんらしい色ですね。」 「ありがとう。 一昨日、会社のコとネイルしに行ったの。」 「初めて見た。」 「久しぶりに行ったから。 気分転換って感じかな。」 俺に逢うから…と言ってもらえるんじゃないかと、僅かな期待をしてみたが違った。 「俺に逢うからって思いましたよ。」 「予感はあったかも、ね。」 その一言でテンションがぐんと上がった。
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