第二十一章

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店を出て駅までの間、俺は思い出していた。 今の店に初めてふたりで来た日の事。 あの日もこうして俺の隣を彼女は歩いていた。 やけに人が多かったのを覚えている。 そしてぶつかりそうになった彼女を引き寄せた瞬間、ふたりの間にあった見えない距離がさらに広がったんだ。 今、あの時と同じように引き寄せたら・・・ わざとする必要なんてないさ。 いつだって彼女を守れるのだから。
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