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「どうぞ。」
「おじゃまします・・・。」
とうとう来た。
心臓が激しく波を打っている。
異常なまでに緊張した俺は、靴を脱いだまま動けないでいた。
「どうぞ。」
もう一度、彼女に促されて部屋へ入った。
「何がいいかな?
コーヒーじゃなければ、ビールもあるけど。」
「コーヒーでいいです。」
落ち着かない俺は、いけないと思いつつ部屋の中を見回してした。
見つけてしまう不安も抱えながら・・・。
そうしていると突然、携帯電話が鳴った。
俺の?
いや、彼女のだ。
「月菜さん、携帯鳴ってる。」
携帯を手にとり俺に向かって
「海斗から、なんだけど・・・。」
そう言って、少し困った顔をした。
「気にしないで、出てください。」
とは言ったものの、なんでこんなタイミングであいつは架けてくるんだよ。と呪いたくなった。
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