第二十一章

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携帯を持って、キッチンで話しているせいで何も聞こえない。 気になりながら待っていると、彼女がすまなそうな顔をして戻ってきた。 「涼くん、海斗が来るって言ってるんだけど・・・。」 えっ?嘘だろ? 絶対にわざとだ。 思わず顔に出てしまいそうなところを抑えて、 「いいですよ。」 努めて冷静に言った。 「ごめんなさい。 涼くんが来ているからダメって言ったんだけど・・・。 どうしても会いたいって。」 「俺も久しぶりだからいいですよ。」 きっと、今ごろアイツは笑っているにちがいない。
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