第二十一章

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「よっ。」 悪びれる様子など微塵も感じることなく、海斗は明るい顔でやって来た。 「オフクロから月菜にミートソースを届けろって頼まれてさ。 今から行くって言ったら、今日はダメだなんて言うから、問い詰めたんだよ。」 「ふーん。」 「邪魔するつもりはなかったさ。純粋にオマエに会いたかったわけ。」 「わざとだろ。」 彼女の事を頼むなんて言いながら、実際に付き合うとなると、これかよ。 「はい、車で来たから海斗もコーヒーね。」 「サンキュ。」 コーヒーを運んできた彼女は、何故か海斗の隣に座った。 それも、ごくごく自然に。 俺の隣じゃないのかよ。
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