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彼女の部屋を出てから、お互いに無言のままだった。
最初に喋ったのは海斗で、
「車、近くのコインパーキングに停めてあるからさ。」
「じゃ、俺は駅まで歩いていくから。」
そう言って歩き出そうとした俺に、
「まだ電車あるよな?」
「あるけど。
どうかしたのか?」
「ちょっと話があるからさ。」
暗い車内にはFMからの音楽が流れていた。
男ふたりで車の中で話をするなんて初めての経験だ。
「今日は悪かったな。」
「面白がってただろ。わざとらしくさ。」
「まさか涼が居るなんて思ってなかったからさ。
近くまで来て電話したのがまずかったな。」
「ほんとにオマエの事を呪ってやろうかと思ったよ。」
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