第二十ニ章

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「目覚めました?」 うとうとしてしまったらしく、目を開けた私を覗き込む彼がいた。 「寝ちゃってた?」 「そうみたいですね。 そんなに激しくしたつもりはないんですが。」 「涼くんのイジワル・・・。」 「心外だな。 月菜さんにそんな事、言われるなんて思わなかった。 でも、安心しきった寝顔でしたよ。」 いたずらっ子のような顔で笑う彼を愛おしく思った。 私を自分の腕の中に囲ったまま、彼は話し始めた。 「俺、 月菜さんを本屋で見かけた時、絶対に掴みとってみせるって思ったんです。」 「掴みとるって?」 「ほら、よく恋は落ちるものって言うでしょう。 その時の俺は、あなたを見つけて恋は掴みとるものだって自分に喝を入れたんです。」 「そうだったの・・・。」 「今こうして、俺の腕の中にいるあなたを絶対に離さない。 月菜さんがいつも幸せでいられるように、隣にいるから。」 「ありがとう。」 触れ合った肌からお互いの体温と呼吸が一緒になっていくのを感じた。
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