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「やっぱり、車を置いていった方がいいと思うんだけど・・・。」
「途中から電車になるんですよ?
そんな面倒な事、させられないですよ。」
私を家まで送っていくと言う彼に申し訳なくて、途中で何処かの駅に降ろして欲しいと言ったのに・・・
「ひとつ提案があります。
受け入れてもらえるかどうかわからないですけど。」
「提案?」
「俺はこのまま車で月菜さんを送りとどけたい。
でも月菜さんは、俺を気遣って実家に車を置いてゆっくりしていった方がいいって言う。」
「明日、車を置きに行くんでしょう?
だったら、このまま涼くんは実家に行った方がいいんじやないかと思って・・・」
「だから、一緒に行きましょう。月菜さんの言う通り実家に車を置いていきます。
俺一人じゃないですよ、月菜さんもです。
それで二人で電車で帰りましょう。」
「・・・・・・。」
突拍子もない提案に、呆気にとられた。
ちょっと、今、何て言いました?
「よし、決まり。」
「そんな。」
「ね?
俺、一緒にいたいんです。ここから別々なんて嫌ですよ。」
「・・・・・・わかった。」
気が付けば、彼の思い通りになっていた。
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