第二十ニ章

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「やっぱり、何処かで降ろしてもらいたいんだけど・・・。」 「だめですよ。 せっかく手土産も買ったんだから、買った本人から渡してもらわないと意味がないでしょう。 それにさっきから、やっぱりって何度も言ってますよ。」 結局、彼の思い通りに事が運び車を置くだけだと言っても、初めて訪れるのに手ぶらで行く訳にもいかず・・・ お土産を買ったのはいいけど、少し遅くなってしまった為、私は躊躇していた。 「そんなに畏まらなくても大丈夫ですから。」 笑いながら言うけれど・・・。 「・・・うん。」 「こんな月菜さんを見れるなんて、新たな発見だな。」 赤信号で停止すると、助手席に座る私を見て優しく笑った。
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