第二十ニ章

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「あと少しで駅ですから。」 そう言って、彼は私の手を取った。 えっ…? 男の人と手を繋いで歩くなんて、久しぶり過ぎて心臓がドキドキいってる。 それも、これって… 世にいう恋人繋ぎっていうのじゃないの? 「月菜さんの手、あったかい。」 破壊的な笑顔で言われ、手に汗をかいてしまいそうになった。 「涼くんの手、大きい。」 「男ですから。」 そんな他愛ない会話をしながら歩いていると、 「お兄ちゃん、どしたの?」 彼をお兄ちゃんと呼ぶ声のする方を見た。 .
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