第二十ニ章

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土曜日だと言っても上りの電車は比較的空いていた。 並んで座っていたけど、二人とも黙ったままで・・・。 私はついさっき会ったばかりの妹さんの事を考えていた。 兄妹なんだから似てるのは当たり前。 今まで気にした事なんてなかったのに、なぜだかひっかかった。 「どうかしましたか?」 「ううん、何でもない。」 「月菜さんちまで送りますから。」 「遠回りになるし、大丈夫だから。気にしないで。」 「俺が送っていきたいんです。」 私の目を見て力強く言った。
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