第二十三章

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彼女の家までの道すがら、俺は考えていた。 元々あまり彼女は口数が多い方じゃない。 それが本来の姿なのかどうかもわからない。 まして、今の手を繋いだ状況が更に無口にさせている。 そうしているうちに、マンション前まで来た。 「今日はありがとう。」 お礼を言う彼女の手を離さない俺に、少し困った顔をする。 「コーヒーごちそうしてもらえると嬉しいです。」 「・・・・・・うん。」 俯きながら返事をする彼女の手をさらに強く握った。
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