第二十三章

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彼女が淹れくれたコーヒーを一口飲んで切り出した。 「今日は楽しんでもらえましたか?」 「・・・うん。 今日はありがとうございました。 朝早くから運転して疲れたでしょう。」 「そんな事ないですよ。」 「それならいいんだけど。」 そろそろ言っておいた方がいいだろう。 今日の計画を成し遂げるためにも。 「この前来たときに言った事、月菜さん覚えてますか?」 「・・・・・・?」 どうやら覚えてないらしい。 それじゃ、俺が思い出させてあげます。 「手料理、食べたいです。」 「えっ?」 「今度ね。って言ってくれましたよね?この前。」 「…うん……。」 「今夜はもう遅いし、今から作って欲しいなんて言いません。 明日の朝、食べたい。」 「それって・・・・・・。」 ようやく俺の意図がわかった彼女は、目をぱちくりさせた後、俯いてしまった。
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