第二十三章

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「えっ?」 聞き取れなかったが、声の感じからいつもと違うことだけは分かった。 「・・・・・・困る私を見て、楽しい?」 思いもよらない言葉だった。 「30過ぎた女をそんなに困らせて楽しい? 恥ずかしがる歳じゃないのは、自分でもわかってる。 別に純情ぶってるわけでもないの。 あまりにも早くて、戸惑ってるだけなのに・・・」 そこまで言い、途切れた。 「月菜さん。」 彼女の名前を呼んでみたけど、俯いたままで・・・。 俺もそれ以上何も言えず、次の言葉を待った。
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