第二十三章

14/26
前へ
/525ページ
次へ
週明け月曜日。 こんなに気分爽快な月曜日を迎えられたのは初めてだ。 片時も離れたくなくて、昨夜は最終電車で帰ってきた。 本当は始発でもよかったのに、仕事に差し障るからと彼女に言われ・・・。 らしくないけど、鼻歌が自然と出てきそうだ。 「たーにーぐーちーくんっ。」 中村だ。 奴がこんな呼び方をするのは、何かよからぬことを考えている時だ。 俺は聞こえないフリをした。 「・・・・・・ちょっと無視しないでもらえます?」 「なんだよ、朝っぱらから。」 「なぁ、今週末の・・・」 「行かないよ。」 何かと思えば、合コンの話だ。 「マジで谷口がいると場が違うんだよ。」 「行かないよ。」 「ほんと、谷口変わったな。」 「そんなことないけど。」 変わろうと思っても、そう簡単には変われない。 でも、彼女の為に変わりたいと思う。 それほど、俺は参っている。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加