第二十三章

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「何かあったわけ? 最近の谷口はちょっと違う。」 「いつもと同じだけど。」 「いや、違う。 まず、煙草を吸わなくなった。」 「あー、禁煙したんだ。」 そう、彼女と付き合うようになって俺は禁煙をした。 気管支が弱いと海斗から聞いていたからだ。 海斗も彼女の前では吸わないらしい。 俺は、そんな器用な事はできないからいっそのこと止めてしまえばいいと思ったわけだ。 「それから、顔つきがやわらかくなったぞ。」 「同じだよ。」 「いーや、違う。 女子の間で噂になってるぜ。 お前がより一層カッコよくなったってな。」 「はいはい、わかったよ。」 他の誰かに思われたってダメなんだ。 彼女じゃなければ。
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