第二十三章

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「そういえば、今日内示が出るんだよな。」 「みたいだな。」 「谷口は有力候補だよな。」 「俺には関係ない話だよ。」 「いや、真面目な話でお前が昇格するって聞いてるし。」 「誰が言ったんだか、マジに受けるなよ。」 コイツの情報は時として当たる事がある。 信憑性はどれくらいかわからないが・・・。 「もし、昇格したら・・・ 俺のお願い聞いてく・・・」 「それは別の話。」 まったく、コイツは少し甘い顔をすると調子にのってくる。 でも、同期では一番仲がいい。 お調子者のように見せかけて、実のところ緻密に計算高い奴だ。 「俺の顔に何か付いてる? もしかして俺に惚れちゃったとか?」 「ばぁーか。」
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