第二十三章
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『また海外赴任もある事を頭に入れておくように。』 1時間前に言われた言葉が頭の中でリピートする。 俺は昇格した。 サラリーマンとしては、この上なく嬉しい。 ただ・・・ 素直に喜べない自分もいる。 何故か? それを言葉にしてしまうと、築き上げる前の何も無かったの時のように崩れてしまいそうで、怖かった。 それだけ、まだ彼女との間には見えない何かがあった。
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