第二十三章

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一瞬で全身が凍り付いた。 彼女は同僚らしい女性と二人で こちらに向かって歩いて来る。 どうして、ここに居るんだ? 仕事の都合じゃなかったのか? 俺に気がついた彼女の足が止まった。 そして、視線が合った。 周囲の人も見えない、 雑踏の音も聞こえない、 わかるのは彼女の姿だけ。 違う…。 これは違うんだ。 こんなシチュエーションを見られる為に逢いたいと願ったわけじゃない。 とにかく絡まった腕を払いのけようと隣を見たその間に、もうそこに彼女の姿は無かった。 .
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