第二十四章

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「それじゃまた明日。」 「気をつけてね。」 「森下さん、ファイトだぜ!」 別れ際に富沢さんが言った一言が心に響いた。 彼女のさりげない気遣いにほっこりとした気持ちになる。 電車に揺られながら、数分前に見た光景を思い出していた。 富沢さんと居酒屋を出て駅まで行ったところで、彼を見かけた。 腕を組んで歩いていた・・・。 可愛い感じの女性だったな。 彼にあの女性はお似合いだと思う。 やっぱり彼となんて無理だったんだ・・・。 ざわざわした感じに惑わされただけかもしれない。 最初から何も無かったと思えばいい。 そう、何も無かったんだ。
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