第三章

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私のトゲの意味を知っている人。 今では海斗ひとり。 大学一年の時に付き合いで行ったコンパで、酔った先輩にからかわれ、とても傷ついた事があった。 『小学生みたいじゃん。お子様がこんなところに来ちゃだめだよ』 今でも一語一句覚えている。 彼は幼い時から、私の心のトゲに薄々気付いていたのだと思う。 その時高校生だった彼は、私の様子にすぐに気が付いた。 そんな弟に、色々な事が重なりナーバスになっていた私は、形振り構わずに泣いて心の内を吐き出してしまった。 その時から、海斗ただひとりが心のトゲの理解者になった。 あの人と出逢うまでは。
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