4130人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺、そろそろ帰ります。」
彼の言葉で、時計を見るとあと30分程で日付が変わるところだった。
「上りの最終、出ちゃったと思う。」
「こんな時間じゃ仕方無いか。
タクシーでも拾って帰ります。」
どうしよう。
とにかくこのまま帰すなんて事は、あまりにも酷い。
かといって、誤解が解けた途端に良い顔をするのも恥ずかしい・・・。
でも、
やっぱり酷い事はできない。
「もしよかったら・・・、ここで寝ていく?」
「・・・・・・いいんですか?」
「タクシー代もかなりの金額になるし・・・。」
「マジ嬉しいです。
俺、明日始発で帰ります。」
タクシー代・・・って、私はなんてわざとらしい事しか言えないんだろう。
こうして、彼は私の部屋で二度目の夜を過ごすことになった。
最初のコメントを投稿しよう!