第二十四章

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「俺、そろそろ帰ります。」 彼の言葉で、時計を見るとあと30分程で日付が変わるところだった。 「上りの最終、出ちゃったと思う。」 「こんな時間じゃ仕方無いか。 タクシーでも拾って帰ります。」 どうしよう。 とにかくこのまま帰すなんて事は、あまりにも酷い。 かといって、誤解が解けた途端に良い顔をするのも恥ずかしい・・・。 でも、 やっぱり酷い事はできない。 「もしよかったら・・・、ここで寝ていく?」 「・・・・・・いいんですか?」 「タクシー代もかなりの金額になるし・・・。」 「マジ嬉しいです。 俺、明日始発で帰ります。」 タクシー代・・・って、私はなんてわざとらしい事しか言えないんだろう。 こうして、彼は私の部屋で二度目の夜を過ごすことになった。
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