第二十四章

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「月菜さんに抱きしめて欲しいんです。」 その切なげな表情を見ていると、なぜだか私まで胸が痛くなってくる。 大の男がこんな風に言ってくるなんて・・・。 何がそうさせるの? 理由はどうであれ、今は彼の願いを叶えるのが一番だと思う。 グラスをテーブルに置き、彼の前に向き合って座った。 肩に掛かっているストールを取り、ゆっくりと背中に手をまわす。 ドクン・・・ ドクン・・・ 密着した場所から、心臓の音が伝わってくる。
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