第二十四章

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ベッドサイドの灯りの中で、ふたりとも黙ったままだった。 触れ合う腕から、彼の体温がだんだんと上がっていくのがわかる。 彼がまたコホンとひとつ咳をした。 「今度は俺が抱きしめてもいいですか?」 「・・・・・・うん。」 「こっちを向いて・・・。」 「・・・・・・うん。」 彼の方に身体を向けると、広げた腕にすっぽりと包まれ、身体だけではなく心まで暖かくなった。 「明日早いから・・・ おやすみなさい。」 「俺も今夜はぐっすり眠れそうです。おやすみなさい。」 少し前まで大きな音を奏でていた彼の心臓は、気が付くと静かなものに変わっていた。
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