第二十四章

17/24
前へ
/525ページ
次へ
研修最終日。 「今夜の打ち上げって、結構すごいみたいね。」 「すごいって?」 「役員なんかも来るって。」 「そうなんだ。」 「森下さんって、なに言っても変わらないんだもの。 ふつーだったら、えーイヤだぁとか、面倒くさーいとか、何かしら反応するのにね。」 「ふふ、じゃあ私って普通じゃないって事ね。」 「でも、ホワイトデーなのに全員参加なんて、ちょっと意外。」 「旦那さんも残念がったんじゃない?」 「あー、うちは平気。 どうせあっちも金曜だから飲みに行くんでしょうし。」 休憩中に富沢さんと今夜の話をしながら、今朝の涼くんのことを思い出していた。 今夜は食事をしたいって。 ホワイトデーだから奮発したいって。 打ち上げがある話をした時の、しゅんとした顔・・・。 子犬みたいだったな。 話の流れで今夜の事は言ったけど・・・ なぜか、次の日の事は言いそびれてしまった。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加