第二十四章

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「かんぱーい。」「乾杯っ。」 「お疲れさまでしたぁ。」 次々に弾けた声が上がる。 ようやく終わった。 本当に中身が濃過ぎるくらいの研修だった。 皆がスタートから弾けるのがわかる。 役員が居たってお構い無し。 それだけ大変だったって事。 でも満足感でいっぱいの顔ばかりだ。 「お疲れさまでした、森下さん。」 「お疲れさまでした。」 この人、確か大阪の伊藤さんだ。 「打ち上げって言っても、忘年会クラスの規模ですね。」 「それだけ、会社がこれからの私達に期待をしているって事のような気がします。」 「森下さんって童顔の割には、結構シビアな事言いますね。」 「そうですか?」 童顔って・・・、 気にしていることをストレートに言ってくれる。 「そういえば、僕も本社なんですよ。」 「そうなんですか。」 「部署は違うかもしれないですが、近くっていう事で宜しくお願いしますね。」 「こちらこそ。」 「関係ないですけど、僕今は大阪支社ですがこっちが地元ですんで。」 「そうなんですか。」 そうですか。とだけしか言わない私。 ちょっとお近づきにはなりたくない。
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