第二十五章

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「逢いたかった。」 彼女に逢って最初の言葉。 『ただいま』でもなく、 『こんばんは』でもない、 今の心の声がそのまま言葉になった。 「おかえりなさい。」 優しく笑って言う彼女を抱きしめたくて仕方ない。 「ただいま。」 久しぶりに言った『ただいま』という言葉が、こんなにも心地よくてほっとできるなんて、今更ながら知った。 「お腹空いてない?」 「ちょっと空いてます。」 「何か食べる?」 「そうですね。」 早く二人きりになりたかったけど、まずは腹ごしらえからのようだった。 .
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