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駅に隣接するデパートの中にある蕎麦屋に落ち着いた。
家に戻る時間がもったいなくて、別の階で必要な物も買った。
あとは食事を済ませて、早く二人きりになるだけだ。
そして、
切り出した。
「どうして迎えに来てくれたんですか?」
俺の質問に、彼女は啜っていたお茶を置き、真っ直ぐ俺を見る。
「引っ越ししたの。」
「引っ越し?
いつ?もしかして、今日?」
「そう。
今日したの。」
「えっ、でも、昨日そんな事言ってなかったですよね。」
荷造りしている様子だってなかった。
いったい、どうやって・・・。
「仕事の方で研修があったり、他にも色々と忙しいのがわかっていたから、業者に全て任せたの。
もし、事前に話したら手伝うって言われると思ったから。
涼くんだって忙しいのにそんな事させられないでしょう。
誰にも煩わせることなく済ませたかったの。」
「そうだったんですか。」
「ごめんなさい、黙っていて。」
「いいんです。
こうして、今ちゃんと話してくれたし。」
とはいっても、どこか虚しかった。
まだ頼られていないという事を実感させられた。
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