第四章

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しまった・・・。 ・・・でも、もう後戻りできない。 身体中の毛穴が開いたみたいに、汗が出てくるのがわかる。 交差点の横断歩道の手前であの人は俺を見ている。 驚いている様子がわかる。 そりゃ、驚くよな。突然呼ばれたんだから。 「お久しぶりです。」 ようやく次の言葉が出た。 やけに高い声。 「・・・。 あの、どちら様でしょうか?」 「涼です、 谷口涼・・・海斗の友達で・・・」 「涼・・・ 谷口涼さん・・・?」 「高校生の時によく遊びに行ってた、涼です。」 「・・・・・あっ。 海斗の? あの涼くん、なの?」 「そうです、そうです。」 ようやくあの人に近づけた。
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