第二十五章

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俺は彼女が部屋に戻ってきても、すぐには気がつかなかった。 「………くん、涼くん?」 名前を呼ばれて、ハッとした。 そして今、呼ばれても気がつかないほど考えていた事にひとり慌てる。 「どうかしたの?」 「……。」 彼女の問いかけに言葉がすぐに出てこない。 そんな俺を見て、近づいてくる。 手にはミネラルウォーターのペットボトル。 「はい、これ。」 差し出されたボトルを受け取るのではなく、俺は彼女の腕を掴んで引き寄せた。 .
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