第二十五章

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二度目の不意討ちに、すぐ前を向いてしまった彼女に囁いた。 「月菜さん、もう一度こっちを見て。」 「……離してくれたら。」 「わかりました。 今、離してあげますね。」 俺の言葉にホッとしたんだろう。力んで固くなっていた身体がふっと軽くなるのがわかった。 でも、簡単には離せない。 離せば手から逃れてしまうだろうから。 彼女を抱き締めたまま、床に横になった。 逃げないように強く抱き締める。 「抱きたい。」 理性を抑える限界を過ぎた俺は、彼女の耳元で囁いた。 .
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