4130人が本棚に入れています
本棚に追加
二度目の不意討ちに、すぐ前を向いてしまった彼女に囁いた。
「月菜さん、もう一度こっちを見て。」
「……離してくれたら。」
「わかりました。
今、離してあげますね。」
俺の言葉にホッとしたんだろう。力んで固くなっていた身体がふっと軽くなるのがわかった。
でも、簡単には離せない。
離せば手から逃れてしまうだろうから。
彼女を抱き締めたまま、床に横になった。
逃げないように強く抱き締める。
「抱きたい。」
理性を抑える限界を過ぎた俺は、彼女の耳元で囁いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!