第二十五章

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「……んっ…。」 静けさの中に彼女が漏らす声だけが響く。 両手を掴み、自由を奪ってしまっているため身動きができないでいる。 それでも彼女は小さな抵抗をしようと必死だ。 呼吸をするのももどかしいくらい、唇を貪る。 なんだろう…。 俺の思考が麻痺してしまいそうなくらい、彼女とのキスは甘かった。 「んんっ。」 切なげな声を聞き、唇を離し彼女を見る。 見下ろす俺に潤んだ瞳で、見つめ返してくる。 「涼…、くん…。」 途切れがちの息で俺を呼ぶその声に、もう爆発しそうになった。 .
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