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「……んっ…。」
静けさの中に彼女が漏らす声だけが響く。
両手を掴み、自由を奪ってしまっているため身動きができないでいる。
それでも彼女は小さな抵抗をしようと必死だ。
呼吸をするのももどかしいくらい、唇を貪る。
なんだろう…。
俺の思考が麻痺してしまいそうなくらい、彼女とのキスは甘かった。
「んんっ。」
切なげな声を聞き、唇を離し彼女を見る。
見下ろす俺に潤んだ瞳で、見つめ返してくる。
「涼…、くん…。」
途切れがちの息で俺を呼ぶその声に、もう爆発しそうになった。
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