第四章

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「全然わからなかった…。」 とあの人は言った。 困ったふうでもなく、かといって親しみもない顔で。 何かを期待してたわけじゃないけど、すぐにはわかってもらえなかった。 焦りすぎたかもしれない。 それに隣にいる男が先を促しているのがわかる。 「今、お昼休みなんです。海斗は実家にいるから連絡してみてください。 それじゃ、失礼します。」 軽く頭を下げてその場から去って行ってしまった。 本屋と同じ光景が脳裏に蘇る… でも今回は違う。 俺を見て、 俺を思い出して、 俺の名前を呼んでくれた。
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