第二十五章

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とりあえず諦めて、しばらくそのままの状態で歩いていた。 俺も一応ヘッドホンは着けている。 でも、解説は半分しか頭に入ってこない。 すると、おもむろにヘッドホンを外した彼女は、俺を見て苦笑いをした。 どうやら、放置していた事に気付いたらしい。 「…ごめんなさい。」 「………。」 ちょっと拗ねたフリをしてみる。 「この音声ガイド、わかりやすいね。」 「…そうですね。」 そりゃそうでしょうね。 あなたが俺を放置してまで聞き入るくらいだから。 拗ねたフリに気付いてますか? 気付いてないだろうな。 フリも効果なし…。 .
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