第二十五章

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一通り見て歩いた俺達は、昼飯と買い物をする為に移動していた。 「ホワイトデーに何もできなかったから、引っ越し祝いとあわせて何かプレゼントします。」 「ありがとう。 でも、気を使わなくても大丈夫だからね。」 「いいんです。 それだけじゃないから。」 「ん……?」 そう、ただプレゼントを買うだけではない。 「これが月菜さんの家で使う方。 で、こっちが俺の家で使う方です。」 「同じのを二組?」 「そうですね。 互いの家で気兼ねなく使いたいなぁと思いまして。」 「二組買うんだったら、もう少し価格の低いのでもいいと思うんだけど……?」 今、カップを買いに店に入っている。 名の知れた食器ブランドの店で買いたかった。 「いいんです。 値が張るほうが大事に使うでしょう。」 「値段に関係なく、大事にするけどな…。」 ぽつりと言ったその言葉にグッときた。 .
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