第二十五章

23/27
前へ
/525ページ
次へ
「結局二組買っちゃったね。」 「初めからそのつもりでしたから。」 「……涼くん、ありがとうね。」 俺を見上げて笑顔で言った彼女を今すぐ抱きしめたかった。 そんな顔で言うなんて反則だよ、月菜さん。 もう負けてしまいそうだよ。 言葉を紡ぐその唇を食べてしまいたい気分になる。 「お腹空いたね。」 「そうですね。」 助かった…。 俺の思考が今の一言で制止がかかった。 何か言ってもらえなかったら、本当に今すぐにでもあなたの唇を食べてしまいそうだったから。 .
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加