第二十五章

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「それにしても、谷口くんはなぜスーツなんですか? もしかして、出張からそのまま…ってことなのかなー?」 「そうだよ。」 コイツ、完全に面白がってる。 普段の俺の冷たい仕打ちの仕返しのつもりか? 「っていうことは、森下さんと… いや、これ以上野暮な事は聞きません。」 ほんと、俺達のことはいいから。 隣に座る彼女を見ると、笑って奴の話を聞いていた。 その笑いが愛想笑いなのか、中村と俺とのやり取りを見て可笑しく思っているのか、いまいちわからなかった。 そんな事を思っていると、 「森下さん、引っ越しは無事終わりましたか?」 同僚さんが彼女に向かって話し掛けた。 .
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