4129人が本棚に入れています
本棚に追加
話し出すきっかけがつかめずに、ふたりとも黙ったまま歩いていた。
黙っていると周りの視線に否応なしに気付く。
身に覚えのある視線とはまた違うもの。
並んで歩いている私達に向けられる容赦ないもの。
薄々わかってはいたけど・・・
視線が痛い・・・。
やっぱり不釣り合いなんだ。
涼くんは、こうして歩いているだけでも目立つ。
隣には、どう見てもバランスの悪い私。
何だか自分が惨め・・・。
涙が出そうになって、今はこれ以上一緒に居たくなかった。
サヨナラしようと思った矢先、
私の左手を涼くんの手がふわりと包んだ。
最初のコメントを投稿しよう!