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それにしてもすごい。
海斗が持ってきた荷物は色々な物であふれている。
「お赤飯のおにぎり。」
「引っ越し赤飯だってよ。」
「あー、ハチミツしょうがもある。」
「もう無いだろうからってさ。」
私の好きなものを揃えてくれた母に感謝の気持ちでいっぱいだ。
「可愛い娘の為に、至れり尽くせりなのはいいけど、持ってくる俺の身も少しは考えて欲しいよな。
車じゃないからって何度も言ったんだけど、あれもこれもって、結果的にこんなだよ。」
「ほんと、ありがとうね。」
重い荷物を持って来てくれた海斗に感謝すると同時に、もうひとつの荷物を見て不思議に思った。
「ねぇ、何でスーツがあるの?」
「あぁ、これ?
明日ここから出勤しようかと思ってさ。」
「へっ?」
間抜けな返事をしてしまった。
想像もつかない答えだったから。
「こっちに着くのは、頃良い時間だと思ったからさ。
また帰るのも面倒じゃん。
ここの方が会社に近いし。
月菜が許してくれたら、の話だけど。
ダメだったらビジネスホテルにでも泊まるからいいよ。」
無下に追い出すほど、私は鬼にはなれない…。
「いいよ。」
「そう言うと思った。」
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