第二十六章

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「なぁ、せっかくおふくろが月菜の為に持たせてくれたんだから、ひとりの時に食べたら?」 「いいの。 お母さんの作ってくれたものを海斗と一緒に食べたいの。」 「・・・なんかあった?」 「別に、何もないけど。」 勘が鋭い海斗だ。 たぶん、隠しきれない。 「涼とケンカでもしたか?」 「するわけないでしょ。」 ほら、始まった。 心配という名の尋問。 こうなったら、白状するまで解放されない。 箸を止めて私をじっと見たまま でいる。 こんな時の海斗はちょっと厄介だ。 でも・・・ 今日はすぐに白状してしまいたい気分だった。 聞いてもらって燻った心を少しでも軽くしたかった。
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