第二十六章

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黙ったままでいる海斗の視線を気にしつつ、私は目の前に並んでいる料理に手を伸ばした。 そして、じっと海斗の言葉を待った。 「俺は、さ、 いつだって、どんなときだって、月菜のことを支えるよ。 子供の頃からずっとそうしてきたし、これからも変わらないよ。」 「ありがとう。 海斗はいつも私の味方でいてくれるし、一番の理解者だもんね。 どっちが上なのかわかんないくらい・・・。」 「それでいいんだよ。」 「・・・・・・うん。」 ダメだ。 涙腺が切れそう。 「気持ち押し殺して、ひとりで解決しようとしてんだろ? 言いたいことがあるなら、思い切って言っちゃえよ。 なんでも聞くからさ。」 もうダメだ。 と思った瞬間、ぽろりと涙が落ちた。
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