第二十六章

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マンションのエントランスを抜けエレベーターを待っていると、携帯のバイブレータが着信を告げる。 涼くん・・・。 日曜日に少し気まずい別れ方をしてから初めての着信。 メールは届いていたけれど・・・ 出るかどうか迷った。 心がささくれてしまっていて、 いい薬も見つからなくて、 なかなか治らないでいた。 今、話してもきっと言葉が紡げない。 ディスプレイを見ているだけしかできなかった。 あっ・・・切れた。 涼くんは何も悪くない。 でも、今は話せない。
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