第二十六章

21/29
前へ
/525ページ
次へ
涼くんと電話で話をしてから二日間が過ぎた。 嵐のような日が続いたけれど週末になるにつれ、ようやく落ち着いてきた。 そして今日は送別会がある。 私が忙しいと言っていたのを気遣っての事だと思う。 涼くんからは電話ではなくメールが届いていた。 何も悪くないのに、無理をさせてしまっているかもしれない。 小さな事でも労ってくれているのがわかる。 そんな涼くんに私は何もできない。 『心がみえない』と言った、あの言葉は本心だと思う。 週末に会ったときには、素直になろう。 そしてきちんと謝ろう。 私を曝け出す。 涼くんを安心させるために。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4129人が本棚に入れています
本棚に追加