第二十六章

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「二次会、行かなくてよかったの?」 「いいんです。 所長もいるから、みんな羽目を外さないだろうし。」 「所長が一番危なかったりしてね。」 「毒舌ですね、森下さん。」 「なんかずいぶん酔ってたみたいだから。」 「森下さんが行かないって言ったら悄気てましたもんね。」 送別会が終わり、二次会へ行く人、私と脇本さんのように帰る人と分かれた。 今夜は最初から二次会へ行くつもりはなく、 家に帰ってから明日のことを考えようと思っていた。 「今日はありがとうございました。 それじゃ、また来週ね。」 「森下さん、一杯だけ行きませんか?」 別れ際の改札口の手前で言うなんて・・・、 いつもだったら付き合ってもいいけど今夜は止めておくことにする。 「・・・ごめんね、明日の朝早いから帰らないといけないの。」 「そうですか、 あーぁ、フラレちゃったなぁ。」 苦笑いする脇本さんに手を振って、改札を抜けた。
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